鳥取市の夏を彩る「鳥取しゃんしゃん祭」が8月13、14の両日開かれる。呼び物の一斉踊り(14日)では、約3,400人の踊り手が金銀の短冊や鈴の付いた傘を操り、暑気を払う涼しげな音を響かせながら勇壮に練り歩く。伝統芸能因幡の傘踊りをアレンジした踊りで、江戸時代の干ばつの折に踊られた雨乞い踊りを起源に、庶民に愛され、先人が工夫を重ねながら広まった踊りが今年も鳥取市街地に傘の花を咲かす。
※写真は鳥取しゃんしゃん祭振興会提供
雨乞い踊りが起源

因幡の傘踊りは、岩美郡国府町の伝説を起源にしている。
因幡万葉歴史資料館開館の10周年を記念した「因幡の傘踊り」(2004年刊)によると、江戸時代の大干ばつの年に五郎作という老人が雨乞いのために氏神の前で踊り続け、ついには息絶えてしまったが、老人の悲願が神に通じ雨が降り、その年は思わぬ大豊作となった。そこで人々は喜んで夜通し供養のために踊りあかし、以来毎年盆に行うようになったという。
若者の心を捉えた山本徳次郎氏の工夫
もともとは花笠をつけた素朴な雨乞い踊りだったが、1896(明治29)年、同町出身の山本徳次郎氏が、当時遊興に走る青年を憂え、長柄の傘と剣舞を取り入れた「因幡の傘踊り」を考案した。
若者が「カッコいい」ものにひかれるのは今も昔も同じ。力強く華やかで、節度ある粋な踊りとして若者の心をとらえ、一気に因幡の国一円に広まったという。村々がどこにも負けたくないと自慢の技を必死に編み出し、傘踊りは磨き上げられていった。
「因幡の傘踊り」は、100個の子鈴をつけた長柄の大傘を使い、立ち・座りの2人が1組になって、剣に見立てた傘を唄に合わせて気合とともに回転させながら切り込んでいく、勇壮で激しい踊り。1974(昭和49)年に鳥取県無形民俗文化財に指定されている。
新作の傘踊り取り入れ市民総参加に

1965年に県内の聖(ひじり)神社、大森神社の例祭と地域振興のための祭りが合併して第1回「とっとりしゃんしゃん祭」を開催。
当時は市内パレードがメインだった。その後この因幡の傘踊りをアレンジして市民誰もが踊れるように新作の傘踊りを取り入れ、今では鳥取の夏の一大イベントとなっている。総勢約4,000人の踊り子が民謡「きなんせ節」などに乗って町を練り歩く「一斉傘踊り」が見もの。
ギネスにも認定
大阪万博を契機に結成された国府町因幡の傘踊り保存会は、1993(平成5)年に日中友好交流北京大会に長野県の諏訪太鼓とともに参加し天安門広場で踊りを披露。95年にニューヨーク・カーネギーホール「第1回日本の祭典」で公演、2002年には万里の長城で舞い、鳥取県が誇る伝統芸を海外にもアピールした。
2014(平成26)年には、傘を使った踊りを5分以上、同時に踊る人数でギネス記録に挑戦し、1,688人が躍ったとして世界最大の傘踊りとして認定された。
今年の見どころは―――
今年の参加はあすっこ踊りと一斉踊りを合わせて114連が参加する。呼び物の一斉踊りには95連、約3,400人(昨年109連、3,200人)。総勢4,000人を超えたコロナ前には及ばないが回復傾向にあり、昨年を上回る迫力で祭りが繰り広げられそうだ。
| イベント名 | 鳥取しゃんしゃん祭2026 |
|---|---|
| 電話番号 | 0857-20-3210(鳥取しゃんしゃん祭振興会事務局) |
| HP | https://tottori-shanshan.jp/ |
| <前夜祭>(すずっこ踊り) | |
| 日時 | 8月13日(木)18:00~21:00 |
| 場所 | JR鳥取駅前風紋広場 |
| <一斉傘踊り> | |
| 日時 | 8月14日(金)(第1部)17:00~18:50(第2部)19:00~21:00 |
| 場所 | 中心市街地(若桜街道~片町通り~智頭街道~太平線通り~駅前通り) |
| <花火大会> | |
| 日時 | 8月15日(土)19:50~ |
| 場所 | 千代河原市民スポーツセンター |
2026年8月4日現在