サステナビリティに対するトップの思い

代表取締役頭取 山崎徹

サステナビリティ経営を実践し、グループ一体で持続可能な地域社会の発展に努めてまいります。

2023年9月

取締役頭取

山崎 徹



日本や世界が直面するさまざまな環境・社会課題を解決するためには、地域や一人ひとりの個人が課題に目を向け、その解決に取り組むことが重要です。当行は、地域の金融インフラとして、質の高いサービスを提供するだけでなく、地域の課題解決・持続的発展にポジティブなインパクトを与え続ける存在でありたいと考えております。

気候変動への対応

気候変動への対応は世界共通の課題として認識され、近年、その重要性、広範性が確認され、喫緊の課題として捉えられています。当行も2021年12月にカーボンニュートラル達成に向けた中長期的な削減目標を設定し、グループ全体での温室効果ガス(GHG)排出量削減に取り組んでいます。しかし、脱炭素化社会実現のためには、地域全体で取り組みを進めていかなければなりません。また、事業活動や消費者行動でも、脱炭素化につながる商品やサービス、技術を求める声は日に日に強くなっています。そのため、地域のお客様と脱炭素化社会に向けた現状と危機感を共有し、お取引先ごとに異なる課題の解決に向けた取り組みをお手伝いしたいと考えております。これからは、ますます環境負荷の少ないクリーンなエネルギーが求められるようになると考えられますが、山陰には再生可能エネルギーの発電設備が他地域に比べて少ないことも課題です。そのような問題意識から、脱炭素化社会に向けた地域のインフラ整備を進め、地域の脱炭素化の動きをさらに加速させるため、昨年、金融機関では初となる再生可能エネルギー発電事業を担う子会社「ごうぎんエナジー㈱」を設立しました。まず、当行が自ら事業リスクをとり、再生可能エネルギーの設備を整備することによって、地域の再生可能エネルギー事業が拡大し、エネルギーの地産地消や再生可能エネルギー電源を求める企業の進出が進むことを目指しています。また、地域の自治体や事業者の皆様との連携も強化し、地域の皆様と共同提案した3つの計画が、環境省の「脱炭素先行地域」に選定されました。今後も、このような取り組みを一層深化させ、地域の皆様とともに脱炭素化社会に向けた取り組みを推進してまいります。

地域課題と新たな社会課題解決への取り組み

当行のマザーマーケットである山陰地方は、高齢化・人口減少が全国に先駆けて進み、経済規模も大きくありません。そのため我々は早くから、知恵を絞り、さまざまな工夫をしながらその問題に向き合ってきました。少子高齢化や過疎化が進んだ中山間地や離島など金融サービスが行き届きにくい地域や個人の方への良質な金融サービスを維持するために、高齢者にとってもアクセスしやすいチャネルづくりや、デジタルを活用したサービスの拡充に取り組んでいます。また、ユニークな社会貢献活動として、2006年から行職員が山に直接入り作業する「森林保全活動」を続けています。その他、障がい者の自立・社会参画を支援する「ごうぎんチャレンジド」や、将来の地域を担う人材を育成する私塾「尚風館」の運営など、地域と深くつながりながら地域社会の発展に向けて取り組み続けています。

人的資本の活用

当行は「地域の夢、お客様の夢をかなえる創造的なベストバンク」を経営理念に掲げ、地域・お客様の課題解決を通じて、地域やお客様とともに持続的に発展・成長することを目指しています。経営理念実現のためには、地域やお客様の役に立つ人材の育成が最重要課題の一つです。そして、人材を当行の価値を生み出す重要な資本の一つと捉え、一人ひとりの行職員が成長するために積極的に投資・育成し、活き活きと働ける環境を整えています。昨年には人事制度とキャリア開発体系を大幅に改定し、行職員が自律的に成長する意欲を持ち、能力を十分に発揮できる環境を整えました。お客様へ付加価値の高いサービスを提供していくためには、効率的な人員配置、専門性の高い人材の育成も必要です。そのため、大規模な構造改革によって人員を捻出し、法人のお客様への営業担当者を大幅に増員しました。そして、地域・お客様の課題解決に貢献するプロフェッショナル人材の育成はもちろんのこと、その人材の価値を最大限引き出すための人材育成・社内環境整備方針を定め、経営理念の実現を通じて地域全体の持続的な成長に貢献してまいります。
かつてないスピードで変化する事業環境に柔軟に対応するためには、多様な価値観やキャリアを持つ人材を活用し、その意見を取り入れることも必要です。能力に応じて女性の登用を積極的に進めた結果、女性管理職比率は25%(係長相当職以上、連結)に達しましたが、これからもさらに登用を進めていきます。

サステナビリティ経営の推進

当行は、「地域の持続的な成長なくして、当行の持続的成長はない」という認識のもと、環境・社会課題の解決と、経営戦略を一体と捉え、グループ一体で持続可能な地域社会の発展に努めてまいります。また、持続的な価値創造によって、さまざまなステークホルダーの皆様の負託にお応えしてまいります。
皆様には、今後ともより一層のご支援・ご愛顧を賜りますよう、心からお願い申し上げます。