山陰合同銀行

My Life is... #56

#56 平井建設株式会社 奥野信一さん

#54 平井建設株式会社 奥野信一さん

生活の“当たり前”を支える仕事

  • ─ 平井建設に入社したきっかけを教えてください

     子ども時代から土木の世界に関心を持っていました。小学生のころ、通学途中に橋を造っている現場があり、だんだん出来上がっていく過程を興味深く毎日みていました。完成すれば、大回りしなければ行けなかった場所に橋を使ってすぐに行けるようになる。橋一つで利便性が大きく変わることにも感動しました。
     農業土木関連の大学に進学し、土木・建築業界を目指して就職活動。一つのものを造り上げるにあたって総合的な指揮を執る施工管理の仕事に惹かれ、地元企業である平井建設を選びました。
     道路や公共施設などは、完成してしまえばそこにあるのが当たり前の存在になる。その上を通る人、利用する人は、出来上がるまでにどんな知恵や努力や苦労があるのか知ることはない。知っているのは造る側だけ。造り手こそが、みんなの快適な生活を支える面白さを感じられる。それが土木・建築の魅力だと思います。

    ─ 仕事内容を教えてください。

     土木工事の施工管理を担当しています。内容は工程管理、品質管理、出来形管理、安全管理、原価管理、測量とさまざま。
     決められた工期の中で安全に工事を進め、ミスによるロスが発生しないように管理し、安全性や強度を確認しながら、求められた品質・出来形を満足するものを作り上げるのが主な業務です。
     工事は多種多様です。これまで関わったものは、道路舗装工事、農業用水の管路を造る工事、水を浄化するための覆砂工事、複数の田んぼを一つにまとめる圃場整備…。土木・建築に興味を持つきっかけになった橋脚の工事にも携わりました。現在は国土交通省発注の大橋川の護岸工事に携わっています。
     常に発生するわけではありませんが、国土交通省から受ける維持管理業務の一環として災害支援もあります。昨年の西日本豪雨の際には、岡山の真備地区に出張しました。民家の近くの溜め池の堤防が一部決壊しており、被害が拡大する前に水を強制排水する作業に従事しました。

正解のない日々…誠意をもって向き合うことを大切に

  • ─ 仕事で大切にしていることを教えてください。

     一言でいえば施工管理は「正解がない」仕事。工事の計画や段取りにはさまざまな側面があり、どのように現場を動かして行くのか、試行錯誤の日々です。まず天候や季節に左右されること。夏の暑さや冬の寒さはもちろん、急な大雨や雪に悩まされることも多いです。また、民家や生活道路が近い場合は安全面や騒音などの配慮が必要で、住民の皆さんからの要望も受け止めなければいけません。絵に描いたようにスマートにはいきません。
     現場の作業員さんから意見が出ることもあり、調整が必要な場面も多いです。人間対機械ではなく、人間と人間が向き合う仕事。まず聞くことを大切にしています。どのような意見・提案であっても、その人は自分の思いをもって話してくれています。聞く前から否定せず、こちらから押し付けることもせず、理解したうえで話し合い、答えを出すようにしています。私自身が決め付けや押しつけが嫌いですし、自分が嫌なことは誰かにしないように心がけています。

    ─ それだけの苦労があると、達成感も大きいのでは?

     そうですね。私たちは生活に必要不可欠な建造物を造っています。土木・建築業は、人々の生活の基盤になる重要な業種だと考えています。「当たり前の生活のためのものを造るのが、こんなに大変なのか!」と感じることもありますが、その分完成したときの感動は大きいです。後に残るもの、人の役に立つものを造っているという自負もあります。
     休みの日に現場を点検しに行く際は、娘たちを一緒に車に乗せていくこともありますが、あまり興味がなさそうなのが残念。でも、何か感じるものが少しでもあれば…と思っています。


  • 社内で現場の状況を同僚と確認

  • 測量機器を扱い現場での測量

  • 上司への状況の報告と相談

幅広い視点で環境づくりを

  • ─ 楽しみにしていること、好きなことは何ですか?

     今年家を建てたので、庭や玄関を自分で造成しようといろいろ考えているところです。玄関前にはレンガを敷いて、庭にはウッドデッキを設置したり、木を植えたり、花を育てたり…。できれば簡単な家庭菜園にも挑戦したい!
     最近、運動不足解消のためにランニングを始めました。朝の出勤前と、夕方帰宅してすぐ、家の周囲を軽く走ります。健康のために始めたことですが、意外と気分転換にもなっているんですよ。仕事はマルチタスクで、1日中現場のことをあらゆる角度から考えてフル回転しているので、何も考えずにただひたすら走る時間がリフレッシュになっているんでしょう。新しいアイデアが浮かぶこともあります。
     子どもの頃から野球が好きで、学生時代はずっと野球部。今は趣味にはしていませんが、経験を買われて社内の野球部・ソフト部の監督を任されています。大会に出ることもあるんですよ。

    ─ 将来のビジョンを教えてください。

     社全体として働き方改革に取り組んでおり、私もプロジェクトチームの一員です。必要性を見極めて業務を簡素化するなど、社員の要望を聞き、働きやすい環境づくりを進めいています。土木・建築業は土日祝日関係なく遅くまで働くというイメージを持たれているかもしれませんが、今業界はどんどん変わってきているんですよ。ICTの導入で作業効率がアップし、改善されている面も。また、意見が出しやすい環境づくりも進めていきたいです。元々風通しは良い雰囲気ではありますが、若い人がより働きやすい空気にしていきたいです。
     私個人としては、現場で施工管理に携わりながら、経営的な観点での業務改善や進行ができるようになりたいです。後進の育成にも関わるなど、幅広い分野で役に立てる人材になるのが理想です。


  • 職場を離れて同僚たちとの一コマ

  • 社内の野球チームでは監督をしています

  • 社内旅行で姫路城への観光

  • 平井建設株式会社

    1966年の創業以来、「責任をもつ、技術を高める、和をもつ」の経営理念のもと、地域に密着した経営に取組み、建設業において実績を積み重ねて参りました。
    また、平成25年9月からは、年間発電量198万KWh/年の「松江太陽光発電所」を稼働させ、地球温暖化対策に貢献する事業にも取組んでいます。
    平成29年12月には、経済産業省より「地域未来牽引企業」の認定を受けました。今後も顧客重視・安全第一をモットーに、郷土の豊かな環境を育みつつ、更なる社会基盤整備に貢献して参ります。