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My Life is... #41

#41 素直 鳥取県立鹿野かちみ園 支援員 堀範希

#41 素直 鳥取県立鹿野かちみ園 支援員 堀範希

純粋な笑顔に心が洗われて就職を希望

  • ─ 現在の職場に入られたきっかけは?
     鳥取県八頭町出身で、岡山県の大学に進学する際に、子どもが好きで将来、子どもの教育に携われたらと思っていたので、保育士の資格が取得できる学科を選びました。学科の研修で岡山県内の障がい者支援施設に行った時に、それまで身近に障がいのある方がいなかったので、どう接したら良いのか分からなかったのですが、施設に2週間泊まって、入浴の補助をしたり、ご利用者の方たちとコミュニケーションを取ったりするなかで、皆さんの素直な心や純粋な笑顔に心が洗われ、障がい者の方々を支援する仕事に就きたいと思うようになりました。学生生活を送った岡山よりも八頭町は、人混みが少なくて自然も多く、田舎の方が住みやすいと感じたので、地元での就職を希望して、社会福祉法人鳥取県厚生事業団に就職しました。

    ─ 仕事内容を教えてください。
     鳥取県厚生事業団は、障がい者施設や高齢者施設など県内30ヵ所の事業所を運営しており、私は鹿野かちみ園に配属されて、今年で6年目になります。ご利用者の食事や入浴などの生活支援のほか、「わびすけ班」というアート活動を行う班のリーダーである主査を任され、粘土を使った作品づくりや陶芸、絵画などのアート活動をサポートしています。
     ご利用者は「立派なものを創ろう」と考えずに、心の思うままに粘土をこねて、純粋な心がストレートに表現された作品を創られます。私たちでは考えつかないようなアイデアが生まれるので、新しい発見の毎日です。

心に寄り添って一番良い支援を模索

  • ─ 仕事で心がけていることは何ですか?
     障がいのある方に寄り添って、気持ちを理解するように心掛けています。自分の気持ちを表すのが苦手な方や、逆に思いっきり感情をぶつけてこられる方、意思疎通ができない方もいらっしゃるので、普段の表情や態度から推測して、それぞれの方に一番良い支援方法は何かを考えながら、日々支援しています。
     皆さん純粋なので、嫌なことは「嫌だ」とはっきり言われます。例えば身の周りのお世話をしても、自分でここまではしたかったという時に手助けしてしまうと迷惑がられます。でも、ここを手伝ってあげたら喜ばれるかなというところをうまくサポートできた時には「ありがとう」と言ってもらえ、やってよかったなと思います。
  • ─ 会社の良いところを教えてください。
     資格手当・扶養手当・住居手当や、医療費・人間ドック受診の助成、病気療養中の保障など、福利厚生がしっかりしているので安心して働けます。困った時は支え合う職場で、子どもが病気になった時も、有休が取りやすくて助かりました。また、研修も豊富で、自分が興味を持った研修には積極的に参加できます。例えば、自閉症の方が自分を痛めつける行為をしてしまう時に、その行為の前後を分析してその方の気持ちを理解する応用行動分析について学び、支援力を高めています。

  • パソコンで日報を入力。

  • 先輩とより良い支援について打ち合わせ。

  • わびすけ班で陶芸作品づくりの様子。

「この人なら」と任される職員に

  • ─ プライベートのことを教えてください。
     実家の近くに家を建てて、昨年末から住み始めました。温かい雰囲気の家にしたくて、白を基調に落ち着いた色の壁紙を選びました。季節を問わず快適に過ごせるよう、床の素材や造りにこだわり、高断熱な高性能住宅にしました。3歳の娘と2歳の息子も大喜びで家の中を走り回っています。リビングのソファーに横になってくつろいでいる時が至福の時間ですね。
     休みの日は子どもたちと遊んでいます。娘のお気に入りのレジスターのおもちゃで買い物ごっこをしてお客さん役をしたり、息子が剣を持って振り回して切られ役になったり(笑)。子育ては普段、妻に任せてしまっているので、休みの日には僕が子どもたちの相手をして、妻に「リフレッシュしてきて」と言って、息抜きのため外出してもらっています。
     小学校から野球を始めて、大学まで続けていました。今もたまに知り会いの草野球チームの人数が足りない時に誘われて、試合に参加しています。息子にも野球をやらせたくて、おもちゃのバットとボールを買いましたが、今は剣みたいに振り回していますね(笑)。一緒にキャッチボールができるのを楽しみにしています。

    ─ 将来のビジョンを教えてください。
     職員やご利用者から信頼される職員になって、ずっとこの園で働いていきたいです。先輩から「この人なら」と任されるようになりたいですし、後輩からはつらい時に頼ってもらえるような、小さいことでもいいので力になって職場に貢献したいです。
     プライベートでは、子どもたちが無事に大きくなってくれたらと願うばかりです。娘が2歳の誕生日に高熱を出して入院した時に、それまでは「大きくなったらこんな職業に就いてほしい」という希望を持っていましたが、病気で苦しんでいる姿を見て、元気に育ってくれたらそれだけでいいと思いました。今は元気に過ごしていますが、これからもずっと健康で素直な子に育ってほしいと願っています。


  • リビングにてお気に入りの場所で至福のひと時。

  • 休日は、子供たちと遊んで過ごす時間が楽しみ。

  • 1つ1つ顔のパーツを組み合わせた、わびすけ班みんなで制作した作品。

  • 鳥取県立鹿野かちみ園

     鳥取県厚生事業団の理念『すべての利用者の尊厳を保持しつつ、自立した生活を地域社会において営むことができるよう支援することを基本とし、福祉サービスの質の向上を図り、地域福祉の推進に貢献します』のもと、厚生事業団は、障がい者施設、特別養護老人ホーム、障がい者グループホーム等の事業所で、職員約1,000名が勤務しています。
     鹿野かちみ園は鳥取市鹿野町に位置する障がい者支援施設です。昨年度設立50周年でした。保護者、地域の皆様等様々な方のご理解とご協力があり今日を迎えています。ご利用者は、創作活動、音楽療法、機能訓練、入浴(温泉)等をしながら生活しています。また地域と共催の夏祭り、運動会、鹿野小学校との交流等、各種行事も楽しんでいます。
  • 鳥取県立鹿野かちみ園