「おもしろそう!」からはじまった医療事務の仕事
- ─ 医療業界に入られたきっかけを教えてください。
大学は県外へ出ていたのですが、やはり就職は地元と思い松江に戻ってきました。ちょうど、その時に「医療事務」のことを知り、これまで視野になかった医療の世界が「おもしろそう!」と思い、通信教育で勉強をして医療事務の資格を取得しました。そして松江赤十字病院へ医療事務の委託という形でスタートを。当初は診療の記録がまだ紙ベースだったので、患者さんのカルテの準備をしたり、診療費の計算をするなど受付事務でバタバタでしたね。
産休育休で1年間休んだときには、医療情報を管理するための知識をより専門的に勉強しようと思い「診療情報管理士」の資格をとり、それがクラークに繋がったのだと思います。
─ 「クラーク」とはどういう仕事ですか?
クラークの正式名称は「医師事務作業補助者」と言い、医師の指示のもと、医師の事務作業を代行、主に診療の記録、医療文書、書類等作成、ほか各種学会の資料の準備も行なっています。
クラークになったきっかけは、これまで委託社員で深いところまで入りにくく、それならば「職員になってもっと何かできないだろうか!」と思い、松江赤十字病院の職員になりクラークとして働くことになりました。
日赤では全診療科に1~2人という形のクラーク配置体制となっています。この病院の中でクラーク歴が長いこともあり、他のクラーク職員が休暇を取ったときなどのバックアップ役として、さまざまな診療科へ応援にいきます。臨機応変に対応する事が必要となるので、これまでの経験を生かし勉強しながら、少しでも外来診療が円滑に運べるよう努力をしています。
クラークは医師の事務的パートナー
- ─ 仕事のやりがいは何ですか?
クラークという仕事は慣れるまで先生方に指導していただき、それによって多分にお手間をとらせてしまいます。そんな中、いつも診察が18~19時頃に終わっていた先生が、「今日は17時に終わった!良かった。ありがとう!」って言ってくださった時は何とも言えない気持ちになりました。その後、先生は病棟の業務へ入られるので、仕事が終わるわけではありませんが、外来診察がスムーズに運べ時間を短縮する手助けができたことは、クラークにとって良いことだと思います。最近は、患者さんがクラークの存在に慣れてこられて、気軽に話しかけてもらえたり、「先生にこんなこと言ってもいいかいね?」とちょっとした相談を受ける存在になってきました。とてもありがたいことです。 - ─ 日赤病院の良いところを教えてください。
赤十字病院は松江の中心部にあり歴史のある建物でしたが、改修工事が終わり、きれいな病院となりました。ドクターヘリのヘリポートもできて、そこへ上がらせてもらったときは「こんなすごい病院で仕事ができるんだ」と嬉しくなり、病院も患者さんのために邁進しているのを目の当たりにして「私も頑張ろう!」と思いました。
それと、病院では自分がやってみたいと思う資格取得や通信教育にチャレンジさせてもらえます。仕事に関係ないものでも…例えばマナー検定、TOEIC、フラワーアレンジメントなど、自分にプラスになるもの、人間力をアップできるものなら何でもOK!資格によって助成金が出るものもあります。
診察室では医師と机を並べて電子カルテを作成
携帯に連絡が入り各所と連携している様子
ドクターヘリのヘリポート
仕事も家庭も、何事にも前向き志向!
- ─ 家族の様子を教えてください。
主人が婿に入り、私の実家で2世帯同居の6人家族で暮らしています。私が仕事で帰りが遅くなると、両親がご飯をつくってくれたり主人が子どもたちの面倒を見てくれて、本当に大助かりです!
家族では年に1回、子どもの夏休みを利用して家族旅行に行きます。小学生2年生の長男は「お城」が好きで、昨年は姫路城へ行きました。日頃から紙で刀をつくって武士になりきって遊ぶほどです。私は毎日のように刀で切られるふりをしたり…もう大変! 時代劇ドラマなどの殺陣シーンは釘付けになっていますよ。
─ 将来のビジョンは何ですか?
現在、クラークの主任として、上司や医師と連携をとる立場であったり、職員の研修などをさせていただいています。いつも業務を行なっている中で、病院の中にはさまざまな部署があり、横のつながりがとても大事だと感じています。クラークという業種はまだ新しく医療の現場に深く入りづらいところもありますが、私たちが診療科を結び、より良い関係づくりを手助けできる存在になれたらいいなと思っています。困難なことでもチャレンジする性格なので、クラークの仕事を通して病院がより発展できるよう取り組んでいきたいです。
子供のお気に入りのおもちゃ
おじいちゃんの畑で芋堀りをした時の写真
家族旅行で出かけた姫路城のパンフレットと長男お手製の紙刀
松江赤十字病院
当院は地域の災害拠点病院として、免震構造の採用、災害時のエネルギー供給システムの導入、ヘリポートや水害対策用の防潮板設置など、災害救護体制機能を持たせ、安全性・信頼性の高い施設といたしました。また、高度医療を行えるような医療機器を配置し、医療提供機能の充実を図っております。
こうした体制整備が認められて、地域医療拠点病院、地域がん診療連携拠点病院、地域周産期母子医療センター、第一種感染症指定病院、救命救急センターなど多くの法的指定を受けております。
今後とも地域の中核医療機関としての役割を果たすべく、高度で専門的な医療の提供に努めて参ります。