2019/12/26
大学の学費目安を知ろう!一覧表で私立/国公立、理系/文系の学費を比較
(写真=写真AC)
子どもを大学に通わせるにはいくらくらいかかるかご存知でしょうか。最もお金がかからない国立大でも、4年間の学費だけで200万円以上必要で、さらに教材費や生活費なども必要になります。
保護者はなるべく早い段階で、「いつ・どのくらい・どのような費用がかかるのか」を知っておくことが大切です。この記事では「大学の費用」についてさまざまな角度からみていきます。
大学・学部別の比較表
子ども1人を育てるのには多額の費用がかかります。中でももっともお金がかかるのが大学の学費で、その半分近くを占めています。実際にどのくらい学費がかかるのか、大学や学部の種類ごとに一覧表で見ていきましょう。
公立大(地域外)・私立大別、学部別の4~6年間の学費 単位:万円 | |||||||
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A.入学金 | B.授業料 | C.実習費等 | 初年度納入金 A+B+C |
D.在籍期間 | 学費総額 A+C+B×D |
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公立大 | 文系 (文学部) |
35.5 | 53.5 | 4.0 | 93.0 | 4 | 253.5 |
理系 (工学部) |
35.3 | 52.9 | 5.1 | 93.3 | 4 | 252.0 | |
医学部 | 55.5 | 54.1 | 13.6 | 123.2 | 6 | 393.7 | |
芸術学部 | 39.3 | 53.7 | 5.8 | 98.8 | 4 | 259.9 | |
私立大 | 文系 (文学部) |
23.5 | 77.1 | 28.6 | 129.2 | 4 | 360.5 |
理系 (工学部) |
24.0 | 102.4 | 34.0 | 160.4 | 4 | 467.6 | |
医学部 | 131.2 | 269.0 | 328.9 | 729.1 | 6 | 2074.1 | |
芸術学部 | 24.4 | 99.1 | 38.0 | 161.5 | 4 | 458.8 | |
出典)「29年度 学費平均額」(旺文社 教育情報センター) 参照元の金額を万円単位で表示※千円未満切捨て |
最も学費総額が安いのは公立大理系(工学部)の約252万円でした。公立大で最も高い医学部(約393万円)と比べると約141万円の差がありますが、この差は在籍期間(医学部は4年ではなく6年)の差です。公立大は入学金も年間授業料も、学部ごとの差はあまりありません。
しかし私立大の場合、公立に比べると学費はかなり高くなり、学部ごとに差があります。
一般的には文系学部<理系学部・芸術学部<医学部の順に高くなっていきます。医学部は実験や実習があることや個別指導があることなどが学費に影響しているようです。文系(文学部)の約360万円に対し医学部は約2,074万円なので、学部の違いで約1,714万円の差があります。
公立大と私立大学を比較すると、文系(文学部)で約253万円(公立大)に対し約360万円(私立大)で、その差は約107万円です。また最も高額な私立大医学部の約2,074万円と最も安い公立大理系(工学部)の約252万円を比べると約1,822万円の差になります。
「最も安い」といっても4年間の学費だけで200万円以上が必要になります。これに教材費や交通費、生活費、交遊費などが加わります。さらに親元を離れて一人暮らしをすると、家賃や水道光熱費の支出もあります。
もし地方から都市部の私立大医学部に入学することになれば、必要なお金は6年間でゆうに2,500万円は超えるでしょう。
必要な費用の内訳

(写真=写真AC)
次に、大学生にかかる費用には「いつ・どのくらい」「どのような」支出が必要なのかみてみましょう。
いつ・どのくらい支払いが必要?
まず、入学金は多くの大学で入試の合格発表から2週間前後で振り込まなければなりません。このとき前期の授業料(年間授業料の半額)も併せて納付する場合もあります。もし複数の大学を併願している場合は、志望順位や合否発表の違いによって、2校の大学に入学金を支払う必要があるケースもあります。
授業料は年2回、前期と後期(多くの場合3月と8月)にわけて振り込むことが多いようです。
教材費は随時発生しますが、特に学期が始まる前(年2回)に集中して購入することになります。教材費は学部によって大きく差が出る部分です。文系学部の本であれば、高くても1冊数千円で購入できますが、理系学部や医学部の本になると1冊1万円を超えるものがあったり、実験に必要な費用がかかったりすることもあります。また、美大や音大も教材費がかさみやすい傾向にあります。
生活費は、実家通学の場合は家計に含まれてしまうので把握しづらくなります。一人暮らしをする場合の生活費は相当かさむ可能性がありますが、本人がアルバイトをしてそこから生活費を賄うこともできます。家賃を含めると、学費とは別に10万円前後の仕送りが必要になるのが一般的です。
塾などの受験準備の費用も想定しておくと◎
子どもが希望する大学に入るには、中学生や高校生のころから塾や予備校に通わせたほうがいいかもしれません。大手予備校の授業料は年間でおよそ70万円前後です。長く通えば通うほど負担が大きくなるので確認しておきましょう。美大受験の予備校の年間授業料も40万~80万円ほどかかります。
留学した場合、どのくらいの費用がかかる?
大学に進学した子どもが休学して海外の大学に留学したいと言ったら、背中を押してあげたくなるのが「親心」でしょう。
費用は「留学の仕方」によって大きく異なりますが、最も費用がかさむのは、日本の大学の授業料を支払いながら、海外の大学にも授業料を支払うケースです。大学生の留学を支援する会社によると、アメリカの大学に1年間留学するには200万~400万円ほどかかります。
ただし、大学によっては交換留学制度で現地大学への支払が不要なことや、返済がいらない奨学金を得ることもできますので、その場合は留学費用をかなり抑えることができます。
お金の準備は、積み立てのほか奨学金や教育ローンを利用するのも一つ

(写真=写真AC)
ここまで見てきたように、子どもを大学に進学させるには、かなりの費用がかかります。そのため、子どもが小さいうちから貯蓄や積み立てなどをして、教育資金を準備しておくことが大切です。
もし必要な学費が準備していた額を超えてしまいそうになったら、奨学金や教育ローンが役立ちます。奨学金は大学生(子ども)自身が卒業後に返済をしていくのに対し、教育ローンは保護者が借りて返済します。「保護者として子どもの大学の学費までは出してあげたい」と考える方は、通常のローンに比べて有利な金利が適用される金融機関の教育ローンを検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
大学に通うには最低でも「数百万円」規模のお金が必要で、医学部になると「数千万円」にまで膨れ上がります。これだけのお金を用意するには、長期間の準備が必要です。そして貯蓄に加えて、奨学金や教育ローンを上手に使うことで、家計に大きな負担をかけることなく子どもの「夢」を叶えてあげることができます。