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2023/04/25

自動車ローンは金利が重要!低金利のローンを選ぶときに知っておくべきこと

低金利の自動車ローンを選ぶときに知っておくべきこととは?
(写真=Fotolia)

さまざまな銀行やカーディーラーなどで自動車ローンを取り扱っていますが、どれを選べばいいのでしょうか?大前提としては、自動車ローンを選ぶ場合の最も重要な比較ポイントは金利です。金利のわずかな差が、返済総額に大きな差を生むことについて、シミュレーションをしながらわかりやすく解説します。

また、自動車ローンの種類や金利の相場、低金利ローンを選ぶためのポイントや注意点も合わせてご紹介します。

金利には固定金利と変動金利の2種類があります。それぞれメリットとデメリットがありますので、自動車ローンを借りるときもこの2つの金利に注意してください。

固定金利とは

固定金利のローンでは、返済をしている間、金利は変わりません。景気によって市場金利が上昇してもその影響を受けないということは、返済中に金利が上昇するリスクを回避できるということです。また、毎月の返済額も返済総額も変わらないので、家計が安定するメリットもあります。
ただ、現在の日本のように超低金利が続いていると、固定金利は変動金利より利率が高くなる傾向にあります。

変動金利とは

変動金利のローンでは、市場金利の動きに合わせて利率が変わります。一般的な変動金利のローンでは、半年ごとに金利が見直されます。メリットは、低金利時代では、固定金利より利率が低くなる可能性が高くなることです。デメリットは、急に市場金利が上昇すると、固定金利の利率より高くなってしまうことです。そうなると毎月の返済額も、返済総額も増えてしまいます。

【シミュレーション】235万円の車を買う場合の返済総額は?

金利の「大小」が返済総額にどれくらいのインパクトを与えるのかみていきましょう。
シミュレーションの条件は以下のとおりです。

  • 235万円の自動車を購入し、全額自動車ローンで支払う(頭金なし、自動車ローンの借入金額235万円)
  • 返済期間5年(60回払い)
  • ボーナス併用払いなし

金利については、銀行系のマイカーローンの最低金利を年1.5%・最高金利を年4.0%とし、一般的なディーラーローンの年6.0%、一般的な残価設定ローンの年5.0%で比較してみます。

ローンの種類 金利 毎月の返済額 利息総額 返済総額
銀行系のローン 年1.5% 4万678円 9万680円 244万680円
銀行系のローン 年4.0% 4万3,278円 24万6,680円 259万6,680円
ディーラーのローン 年6.0% 初回4万7,324円
2回目以降4万5,400円
37万5,924円 272万5,924円
残価設定のローン 年5.0% 3万4,562円
最終支払金70万円
38万9,158円 273万9,158円

※銀行系のローンは山陰合同銀行のマイカーローンシミュレーションより作成

最も低い金利年1.5%と最も高い金利年6.0%では、返済総額で285,244円(=2,725,924円-2,440,680円)の差が出ます。
また、金利年4.0%と金利年5.0%は、わずか1.0%の差しかありませんが、それでも返済総額の差は142,478円(=2,739,158円-2,596,680円)になります。分割にすると感覚が分かりづらくなりがちですが、借りた金額が同じにもかかわらず返済額にこれだけ差が出ます。金利が家計に与える影響の大きさがご理解いただけると思います。

続いて、自動車ローンの種類と金利の相場をみていきましょう。
自動車ローンには、1)銀行系の自動車ローンの他に、2)カーディーラーの自動車ローンや、3)同じくカーディーラーが扱う残価設定型クレジットがあります。
2)と3)は、実際にローンを運営しているのは、カーディーラーと提携している信販会社です。自動車の売買が成立すると、カーディーラーは信販会社から自動車の代金を全額受け取ります。購入者は信販会社に対して毎月返済していきます。

詳細を解説する前に、それぞれのローンのメリットとデメリットを一覧表にしてみました。

ローンの種類 メリット デメリット 金利の相場
銀行系の自動車ローン

・用途が幅広い(車検や修理、免許取得などにも使える)

・当初から自分名義になる

・WEBで申し込みができる

・車が決まっていなくても申し込みができる

・ディーラーローンと比較すると、審査期間が長くなることも(山陰合同銀行の場合は、正式申込みから融資まで最短4営業日)

年2~4%程度
信販会社系の自動車ローン カーディーラーのローン

・審査が早め

・特定の車種で超低金利を出すことがある

・用途が狭い(車体とオプションにしか使えない)

・完済しないと車の所有権が自分名義にならない

年5~10%程度
カーディーラーの
残価設定型
クレジット

・月々の支払額を抑えられる

・特定の車種で超低金利を出すことがある

・約束の年数が経過して返却するとき、走行距離や傷などによって追加料金が発生することがある

・約束の年数が経過して購入する場合、残金を一括で支払わなければならない

年4~6%程度

銀行系の自動車ローン

銀行系の自動車ローンを使うメリットの中でも、次の2つの魅力は大きいでしょう。

  • 金利が低めに設定してある
  • 当初から自動車の名義が自分になる

まず金利ですが、銀行系のマイカーローン(自動車ローン)の場合は年2.0%~4.0%に設定されていることが多いです。シミュレーションでも紹介しましたが、金利がこの水準であれば返済の負担はそれほど大きくならないでしょう。最低金利が適用されるには、銀行ごとに設定された条件(給与振込など)に該当する必要があります。

そして2番目のメリットは、銀行系の自動車ローンを借りて自動車を購入すると、その自動車の名義が、購入者自身になることです。車検証にも購入者の名前が記載されます。

これは「当たり前のこと」ではありません。このあと紹介するディーラーローンを使って自動車を購入すると、返済が終わるまで車検証の所有者欄はディーラー名義になります。そのため、銀行系の自動車ローンで自動車を買ったほうが「所有を確実にする」ことができるといえます。

そのほかのメリットとしては、一般的に銀行系の自動車ローンの場合、用途の幅が広く、自動車の本体やオプションだけでなく、車検やタイヤ購入、修理費用に使うこともできます。まだ免許を持っていない人は、免許取得費用に使うこともできます。
「自動車関係のお金の困りごと」のほぼすべてに使うことができる、と考えてもよいでしょう。
また山陰合同銀行のマイカーローンでは、担保や保証人は不要で、保証料も要りません。

銀行系の自動車ローンのデメリットは「その場でOK」になることもあるディーラーローンに比べて、審査結果が出るまでに数日かかることです。

信販会社系のディーラーローン

ディーラーローンは「ディーラーローン」という名称にはなっていますが、実際はカーディーラーが提携している信販会社のローンを使うことになります。

ディーラーローンのメリットは審査が早いことです。例えばディーラーに車を見に行った日に購入を決断した場合でも、その場でローンの審査がとおる場合があります。そしてディーラーによっては、特定の車種に限定して金利を年1%以下に設定することがあります。

ディーラーローンのデメリットは、一般的には金利が高めに設定されている点です。「金利年1%」というチラシを見てディーラーに行ったものの、その金利が適用されるのは1車種だけで、購入したい車種の金利は年5~10%になっていた、というケースは珍しくありません。また、ローンの用途が限定的なため、多くは車体またはオプションの購入にしか使えません。

そして最も大きなデメリットと言えるのが、ディーラーローンで自動車を購入すると、名義はディーラーになることです。つまり法律上の所有者はディーラーになっており、本人名義になるのはディーラーローンの返済が終ったあとになります。

残価設定型クレジット(ディーラーローンの一種)

残価設定型クレジットは、ディーラーローンの一種です。
例えば235万円の自動車を購入するときに、ディーラーが「3年後に100万円で買い取る」と約束をします。この100万円を残価といいます。そしてローンは235万円から100万円を差し引いた135万円で組みます。3年間でこの135万円を返済していくという仕組みです。

金利は年4~6%程度にしているディーラーが多いようです。

残価設定型クレジットのメリットは、月々の支払額を抑えられることです。また、ディーラーが特定の車種限定で超低金利を出すこともあります。

しかし残価設定型クレジットは、約束の年数が経過したら、自動車を返却するか、残価を一括で支払って購入するかを選択しなければなりません。さらに自動車を返却する場合、走行距離が想定より伸びていたり、想定以上に自動車に傷がついていたりすると、ただ返却するのではなく、追加料金を請求されることがあります。

低金利のローンを選ぶときのポイントは4つ
(写真=Fotolia)

低金利の自動車ローンを選ぶポイントは次の4点です。

  1. できるだけ多く見積りをとる
  2. 金利は上限を要チェック
  3. 借入上限額を確認する
  4. 別途保証料や手数料がかかるものは注意

ひとつずつみていきましょう。

1.できるだけ多く見積りをとる

自動車ローンの見積もりをとる目的は、金利などの違いを見える化することです。先ほど紹介したとおり、ひと口に自動車ローンといっても金利もメリットもデメリットも「ばらばら」です。それらを見積書という紙で吟味することで、自分に合った自動車ローンをみつけることができます。

銀行系の自動車ローンでも、大手銀行と地方銀行では金利が違いますし、ネット経由の申し込みを優遇している銀行もあります。例えば山陰合同銀行のマイカーローンは、ネット経由で申し込むと金利が年0.5%下がります(2023年4月25日現在)。ディーラーローンでも、同じ自動車メーカーの自動車を取り扱っていても、店舗によって金利が異なる場合があります。これは、店舗によって提携している信販会社が異なるからです。

2.金利は上限を要チェック

自動車ローンには、金利に幅があるのがほとんどです。自動車ローンを検討している際は、どうしても最低金利に注目してしまいがちですが、金利の低い自動車ローンだと思って申し込んでみると、「思っていた金利より高かった」ということが起こりえます。

最低金利になるには取引状況などのさまざまな条件に該当する必要があるので、「金利は最大でもどれくらいになるか」という上限もしっかりと確認しておくことが必要です。

3.借入上限額を確認する

自動車ローンには借入上限額が設定されています。ローンを扱う金融機関は、借りる人の返済能力を考慮します。せっかく低金利の自動車ローンをみつけてもそれを借りられないことがあるので、見積もりを取るときに借入上限額について確認しましょう。

4.別途保証料や手数料がかかるものは注意

保証料や手数料を別途徴収する自動車ローンがあるので、見積もりの際には注意しましょう。保証料や手数料は実質的には「金利の上乗せ」と同じです。

自動車の車種を選ぶように自動車ローンを選ぶようにしてください。例えばリーズナブルな自動車を選んでいても、高い金利の自動車ローンを選択してしまったら結果的にはリーズナブルな選択になりません。

また、金利が低い自動車ローンを選べば、オプションを増やしたり、自動車のグレードを1ランク上げたりすることができるかもしれません。快適なカーライフを送るためにも、賢く自動車ローンを選びましょう。