My Life is... #65

#65 湯梨浜振興合同会社 徳丸健太郎さん

#65 湯梨浜振興合同会社 徳丸健太郎さん

元気で立派なヒラメに育てて新鮮な状態で提供

  • ─ 現在のお仕事を選ばれたきっかけは?

     以前は、湯梨浜町内の高齢者介護施設で働いていました。もともと人と関わるのが苦手なところがありましたが、自宅で祖母を介護することになり、全く介護の経験がなかったため、技術と知識を学ぼうと始めた仕事でした。3年ほど、自宅で祖母を介護しながら施設で働いていましたが、祖母が他界して張りつめていたものが解けたのか、どっと疲れを感じてしまって。ちょっと環境を変えたいなと考えていた時に、同じ施設で働いていた方から湯梨浜振興を紹介してもらいました。
     これまで魚に関わったことはありませんでしたが、介護の仕事を経験してやはり人と接する仕事は自分には向いていないと感じていたので、魚が相手ならできるかもしれないと興味を持ち、2018年6月に湯梨浜振興に入りました。当初は前任の場長と一緒に仕事していましたが、しばらくして場長を任されることになり、今は一人で養殖場を切り盛りしています。

    ─ 仕事内容を教えてください。

     湯梨浜振興では、海底の砂層よりろ過された不純物などがないきれいな海水をポンプでくみ上げ、かけ流しにより育てる井戸海水式の陸上養殖を行っています。同じ町内にある鳥取県栽培漁業センターでふ化したヒラメの稚魚を養殖場で大切に育て、湯梨浜生まれ湯梨浜育ちの“箱入りヒラメ”を「湯梨浜ひらめ」と名付けて出荷しています。私は毎日、ヒラメの様子を見ながら餌をやったり、水槽の水の状態や水温、酸素濃度、水位などを調節して、ヒラメが元気に育つ生育環境を整えています。
     餌はヒラメの体成分組成に近い高タンパク・低脂肪の完全乾燥配合のみにこだわって、食べ残しがないように手で餌やりしています。1年2~3か月で体長30~40㎝、重さ600gの大きさになるように育て、県内のスーパーや旅館に提供しています。「湯梨浜ひらめ元気漬丼」などの加工品の製造も手伝っています。

育て方を学び、常に魚の様子に気を配る

  • ─ 仕事で心がけていることは何ですか?

     常に魚の様子をみて、何かあればすぐに対応するようにしています。魚も人間と同じで、一つの水槽の中でも育ちの早いものや遅いものなど個性があります。最初は魚の様子をどうやってみたらいいのか分かりませんでしたが、毎日みていくうちに、餌の食べる量が少ない、動きがおかしい、水槽の水がにごるなど、ちょっとした変化にも気付けるようになりました。そして、少し様子の違うヒラメがいたらすぐに別の水槽に移して、他のヒラメに影響が出ないようにしています。
     養殖場には5m×5mの水槽が約30個あり、全部で1万5千~2万匹のヒラメを養殖しています。ヒラメたちがストレスを感じないよう、水槽の掃除も大切な仕事です。水をきれいに保つため、1日1~2個ずつ水槽を掃除していきます。大きなヒラメと小さなヒラメを一緒の水槽に入れると、小さなヒラメは大きなヒラメを怖がって餌を食べないので、毎日水槽をチェックして、大きくなったものは次の水槽に移すようにしています。

    ─ 現在の職場のいいところを教えてください。

     普段は養殖場で一人黙々と仕事しているので、人とあまり会わずに過ごせるのは自分の性に合っていると思います。生き物を扱う仕事なので、餌やりや見回りは毎日しないといけませんが、その分、仕事の合間の時間は自由にしていいと言われているので、誰かに急かされることなくマイペースに仕事ができるのもありがたいです。
     魚の育て方など、分からないことがある時には、湯梨浜振興の戸羽正廣社長や県栽培漁業センターの職員さんが丁寧に教えてくださいます。ヒラメを育てて出荷の時を迎えた時は「大きくなったな」と感慨深く、業者さんに「いいのができた」と言ってもらえるとうれしいです。「湯梨浜ひらめ」を求めて、隣接する食堂(現在は休業中)に県外からわざわざ来られるお客様もおられて、「他のところのヒラメより、臭みがなくさっぱりしておいしい」と褒めてもらえると、育ててきてよかったなと思います。


  • 水質管理のため、水槽の掃除は大事

  • ヒラメたちの様子を観察しながら餌やり

  • 育てたヒラメは県内のスーパーや旅館に出荷

「毎年1年生」の気持ちでこつこつと仕事に励みたい

  • ─ プライベートなことを教えてください。

     実家は琴浦町ですが、今は湯梨浜町内に部屋を借りて住んでいます。ヒラメたちの様子をみないといけないので、丸一日の休みはほぼありませんが、日々の仕事の合間に自由に使える時間を結構持てています。そんな時はゆっくりして体を休めるようにしています。夏の間は日中暑いので、日が照り始めた午前5時には養殖場に行って、涼しいうちに動くようにしています。養殖場に向かって車を走しらせていると、海からのぼる朝日がきれいに見えます。ヒラメたちも明るくなったら餌をほしがるので、早い時間からこつこつと仕事するようにしています。
     特に趣味はありませんが、Tシャツを何枚も着替えるほど汗をかいて働いて、1日の終わりに食べるご飯はおいしいですね。白ご飯が好きで、おかずは何でも大丈夫。一人暮らしなので、手軽に栄養がとれる納豆と一緒に食べることが多いです。

    ─ 将来のビジョンを教えてください。

     魚を扱うようになって3年が経ちましたが、まだまだヒラメについて覚えないといけないことがたくさんあります。生き物を育てる者として、「毎年1年生」という気持ちで戸羽社長や県栽培漁業センターの職員さんに教わりながら勉強していきたいです。そして、育て方だけでなく、さばき方も習得して、今はご提供をお休みしている「湯梨浜ひらめ」のお造りを、またたくさんの方にお届けできるようになりたいと思っています。そのために、戸羽社長に聞いたり、写真付きの解説書を見たりしながら練習しています。
     ヒラメの他に、ウマヅラハギやニジマスなどの養殖も試験的に行っています。今後、ヒラメだけでなく、他の魚もきれいな海水と安全安心な環境で育てて、商品として広く発信していけたらと考えています。これからもマイペースに、こつこつと仕事に励んでいきたいです。


  • 魚をさばくのもお手の物になりました

  • お気に入りのヒラメTシャツ

  • 一日の仕事開始は海から登る朝日とともに

  • 湯梨浜振興合同会社

    鳥取県の県魚である「ヒラメ」を湯梨浜町泊港で井戸海水による陸上養殖で育て、「湯梨浜生まれ、湯梨浜育ち」の安全安心でおいしい商品を提供しています。
    他にも「アワビ」の養殖もおこない、鳥取ブランド商品に指定されています
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