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2020/08/3

年収から考える住宅ローンの目安とは?無理なく返済するためのポイント

住宅ローンは年収の何倍?無理なく返済するためのポイント
(写真=写真AC)

住宅ローンを組むときに「いくら借りられるのか」「いくらなら無理がない額か」と悩む声を聞きます。

借入額を多くすればその分高い家を買うことができますが、毎月の返済の負担が大きくなってしまいます。逆に借入額を少なくしすぎると、満足できる家を手に入れられないかもしれません。

住宅ローンでは、よく「年収の何倍」という考え方で借入額の話をすることがあります。

借入額ではなく住宅所要資金について言えば、住宅金融支援機構による調査では、全国平均は、年収の7倍ほどとなっています。一方で、所要資金のうちいくらまでを借入れでまかなうべきかは検討が必要で、住宅ローンの審査が通って借りられる額と、安心して返済できる額は別です。

そこでこの記事では、無理なく返済するためのポイントになる、「住宅ローン借入額の考え方」と「適正な借入額を算出するためのライフプラン」について解説します。

住宅ローンの借入額はどのように決めたら良いのでしょうか。冒頭でも紹介した、「年収の何倍」という考え方でみていきましょう。

総費用(所要資金)は新築なら年収の平均7倍、中古なら5~6倍

住宅金融支援機構の「2018年度フラット35利用者調査」の結果をまとめると、下記のようになりました。

住宅の種類 所要資金 世帯年収 自己資金(割合) 年収倍率
土地付注文住宅 4,112.6万円 611.3万円 447.0万円(10.9%) 7.2倍
新築マンション 4,437.2万円 767.4万円 714.1万円(16.1%) 6.9倍
建売住宅 3,442.1万円 554.5万円 293.2万円(8.5%) 6.7倍
注文住宅 3,395.1万円 592.8万円 636.5万円(18.7%) 6.5倍
中古マンション 2,982.5万円 585.5万円 310.5万円(10.4%) 5.7倍
中古戸建 2,473.3万円 503.0万円 203.0万円(8.2%) 5.3倍

年収倍率:所要資金を世帯年収で除したものの平均

個々の世帯によって状況が違いますが、新築住宅を買う人は年収の7倍、中古住宅を買う人は年収の5~6倍の額が住宅を購入する際の目安額といえそうです。

自己資金の割合はどのくらい?

上の表から、所要資金のうち、8%~19%を自己資金でまかなっていることがわかります。

では、どのくらいの金額をローンで借りるとよいのでしょうか。

ここで参考になるのが「返済比率」という考え方です。
返済比率とは、「ローン返済額が収入のどのくらいの割合を占めるか」を表した数値です。基本的には年間の返済額と年収で計算します。

最初に紹介した、年収の平均7倍というのは、所要資金を考える際の目安です。借入額を決めるときは、年収倍率だけでなく、返済比率という考え方も知っておくと良いでしょう。

借入可能額は年収の何倍?返済プランをシミュレーション

住宅ローン借入額の上限は金融機関によって異なります。たとえば住宅金融支援機構の「フラット35」は、8,000万円が上限となっています。また、山陰合同銀行の融資限度額は1億円です。

もちろん誰もが上限いっぱいまで借入れできるわけではありませんし、借入額が多ければ多いほど良いわけでもありません。

所要資金の目安は年収の7倍と先述しましたが、ここでは自己資金がない場合を想定し、住宅ローンで「年収の7倍」の額を借入れた場合、毎月の返済の「負担感」がどれくらいになるのかシミュレーションしました。また、比較のために返済比率を25%以内と設定したシミュレーションも合わせてみていきましょう。

①年収の7倍
税込み年収借入額毎月の返済額
(当初10年)
毎月の返済額
(11年以降)
返済総額
300万円2,100万円5万9,279円6万5,130円2,663万1,868円
400万円2,800万円7万9,039円8万6,840円3,550万9,226円
500万円3,500万円9万8,799円10万8,550円4,438万6,595円
②返済比率25%以内で最大の借入額(百万円単位)
税込み年収借入額毎月の返済額
(当初10年)
毎月の返済額
(11年以降)
返済総額
300万円2,200万円6万2,102円6万8,231円2,790万90円
400万円2,900万円8万1,862円8万9,941円3,677万7,457円
500万円3,600万円10万1,622円11万1,651円4,565万4,807円
①と②の差(②-①)
税込み年収借入額毎月の返済額
(当初10年)
毎月の返済額
(11年以降)
返済総額
-100万円2,823円3,101円126万8,222円
-100万円2,823円3,101円126万8,231円
-100万円2,823円3,101円126万8,212円

※山陰合同銀行の「ごうぎんスーパー住宅ローンスペシャル」を利用した想定で計算しています。

上の表の借入れ条件は以下のとおりです。

  • 借入額:年収300万、400万、500万円の場合で試算
  • 2段階固定金利(年利):当初10年1.0%、11年以降1.8%(2020年6月1日現在)
  • 返済期間:35年
  • 金利:元利均等返済
  • 返済方法:ボーナス払いなし

①の「年収300万円」の「毎月の返済額」は「5万9,279円と6万5,130円」となっています。このくらいの金額なら「なんとかなりそう」と感じるかもしれません。

次に「①と②の差」をみてください。このシミュレーションでは借入額を100万円増やすと、月々の返済額が約3,000円上昇することがわかります。

これが生活の中で感じる「負担感」となります。

「年収の7倍」はあくまで目安。将来を考えてローンを組むことが重要

ここまでにデータやシミュレーションで紹介した「年収の7倍」や、各金融機関が設定している借入上限額はあくまでも目安。妥当な額かどうかは、各世帯の事情をふまえて考える必要があります。

住宅ローンの借入額を決めるときは、まずは目安を出発点として、そこに将来のことを加味して、毎月の返済が大きな負担にならないゾーンを探していきましょう。

例えば、退職や転職、失業、入院などによる長期休業などで年収が下がることも考えられます。年収500万円のときに3,500万円を借りれば7倍ですが、年収が400万円にダウンすれば、年収の8.75倍になり、その分返済も苦しくなります。

また、子どもが生まれたり、家族が病気になったりすれば、思わぬ出費が発生して、住宅ローンの返済の負担感はさらに増します。

大きな出費は住宅だけではありません。車の購入や子どもがいる場合は教育費などにいくら使いたいかも加味しなければいけません。

もちろんその逆に、現在は年収300万円でも10年後に昇進して年収1,000万円になることもあります。また、家族が増えて購入した家が手狭になることもあります。

予測が難しいこともありますが、住宅ローンを借りる際は、このような将来の可能性を想像してみることが大切です。

ライフプランを作成してお金の流れを見える化しよう
(写真=写真AC)

そして、こうした将来の可能性を考える上で役立つのが、ライフプラン(人生設計)の作成です。

ライフプランは、ライフイベント表とキャッシュフロー表の2つの表をつくることで具体的な数字を算出することができます。

ライフイベント表

家族の将来のイベントの内容と、そのイベントが行なわれる時期とそのイベントにかかる費用を書き出したものです。例えば次のように書いていきます(すでに結婚している世帯の例)。

時期 イベント 予算
2022年 第一子誕生 25万円
2024年 第二子誕生 25万円
2025年 第一子、
幼稚園入園
20万円
2026年 車購入 350万円
2027年 第二子、
幼稚園入園
20万円
2040年 第一子、
大学入学(私立)
4年で600万円

このように、思いつく行事や出来事を挙げ、そこにおおよその出費をつけていきます。

キャッシュフロー表

現在の収支状況やライフイベントで発生する支出などから、将来の収支状況と貯蓄状況を予想する表です。キャッシュフロー表をつくることで、お金の流れの違いを見える化することができます。

ちなみに、キャッシュフローは会計の専門用語で、「現金がどのように流れていったのか」を数値化したものですが、家計で使う場合はそこまで難しく考える必要はありません。

例えば、収入100円・支出100円でも収入100万円・支出100万円でも残高0円ですが、両者のお金の流れは全然違います。

具体的には、次のように記載します。
当初預貯金が300万円あると想定。

西暦 2023年 2024年 2025年 2026年
年収 500万円 500万円 500万円 500万円
収入合計 500万円 500万円 500万円 500万円
通常の
生活費
270万円 270万円 270万円 270万円
ライフ
イベント
第2子誕生
25万円
第1子、
幼稚園入園
20万円
車購入
350万円
その他 200万円 200万円 220万円 200万円
支出合計 470万円 495万円 510万円 820万円
収支 30万円 5万円 ▲10万円 ▲320万円
預貯金残高 330万円 335万円 325万円 5万円

ここでは4年分しかつくっていませんが、住宅ローンを検討する際は、35年や定年退職するまでなど、少し長い目線で試算することが良いでしょう。

ライフイベントの額の大きさで、キャッシュフロー表の収支と預貯金が大きく動くことがわかります。

また、「車購入350万円」と書くだけではそれほど大きな出費に感じませんが、このようにキャッシュフロー表の中に盛り込むと、収支をマイナスにして、預貯金を大きく減らす額であることがわかります(実際には自動車ローンという手段もありますが、複雑になるのでここでは現金一括としています)。

そうすると「車は中古車にして、200万円台にとどめよう」といった判断ができるようになります。

このキャッシュフロー表では、ライフイベント以外の支出を「通常の生活費」と「その他」の2種類にわけていますが、もし余裕があればさらに細かく分類すると良いです。

そうすることで、住宅関連の出費である「住宅ローンや住宅関連の税金、管理費、修繕費、リフォーム積立金」の家計への重みが、くっきりみえてきます。

ただし、ライフイベント表もキャッシュフロー表も、最初から完璧なものをつくる必要はありません。まずは簡単なものでも、一度つくることが大切です。そうすることで改善点や気付きがみえてきます。

無理なく返済するためのポイントは?
(写真=写真AC)

住宅ローンの返済を無理なく行なうには、借入時期(返済開始年齢)と借入額がポイントになります。

できるだけ早くローンを組む(返済開始年齢を早くする)

同じ金利の住宅ローンで同じ金額を借りても、返済期間の長さによって毎月の返済額が異なります。

住宅ローンの返済を無理なく行なうには、できるだけ早いうちに住宅ローンを組んだほうがよいでしょう。返済期間が長いと、毎月の返済額は軽減できます。

反対に、返済開始年齢が高くなると、定年退職以降も返済が続くことになります。

例えば40歳で35年ローンを組めば、返済完了年齢は75歳になります。65歳定年の会社に勤めている場合、定年退職から10年は年金や預貯金やアルバイトなどで住宅ローンを返済していくことになります。もちろん退職金で残高を一括返済することもできます。

また、ローンの審査では借りる人の健康状態も対象になります。年齢が上がるほど病気のリスクが高まるので、融資が受けられない、希望した額を借りられない可能性も上がります。

新築にこだわらず中古物件も視野に

中古住宅ならば、新築に比べて住宅ローンの借入額を抑えることができます。

狙い目は、築年数が浅く状態の良い中古物件です。新築当初は誰しも、家を汚さないように丁寧に生活するので、築浅物件は状態が良いという特徴があります。

中古だからこそ、より良い立地、より広い、より高品質な建材を使っている、といった条件の家を買うこともできますし、リノベーションをする前提で中古住宅を買うのもありです。

もちろん山陰合同銀行をはじめとした、各金融機関の住宅ローンも中古物件に対応しているものがあります。

住宅ローンを借りることは、人生設計に大きく影響します。

調査によれば、年収の7倍の額の家を買う人が多いので、この額はひとつの目安になるでしょう。しかし、生活スタイルが人それぞれであるように、住宅ローンの借入額も人それぞれです。

住宅に強いこだわりがあれば、年収の7倍以上でも妥当であると判断できますし、ライフイベントにお金を使いたい場合は、住宅購入の資金・借入額を減らしたほうがよいでしょう。

家自体に対するこだわりだけでなく、住宅ローンの月々の返済額など、トータルでどのような暮らしを実現したいのか。このことをふまえて住宅購入を検討してみてください。

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